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森人処(もりびとどころ)通信
 

森人処(もりびとどころ)通信

オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)のオフィシャルブログです。 
 

企画会議化するフォレストセミナー

7月1日、毎月恒例のフォレストセミナーが開催されました。

理事長の鈴木先生ご一行は現地調査中ですが、
東京にいるメンバーで、なかなか熱のこもった議論になりましたよ。

まず前半は前回の続き、メディア・リテラシーについて、
MOF会員のAさんからお話ししていただきました。
熱帯雨林を扱った気になる本についてのブック・トークもあったようですが、
あいにく筆者は遅刻してしまい、ここで内容をご報告することができません。

後半はMOFのこれからについて、日本にいる会員・事務局ができること、
していくべきことは何なのか、活発に意見が交換され、さながら企画会議のようになりました。

そもそもいつまでも「これから」というようなあいまいな表現をしていていいのか、
「オランウータンと熱帯雨林」についての現状認識をどう世に問うていくのか、
オランウータンののびやかな人生(サル生?)哲学には大いに学んでいきたいけれど、
かといって、かつて経験したことのない環境危機を前にして、
人間ならではのなんらかのアクションを起こしていきたい気もするし……。

まずは手持ちのデータの整理からでしょうか。
目的意識を持って、一歩ずつ、MOFとして歩んでいこう、という再確認の場になったのではないかと思います。

昨晩のフォレストセミナーにご参加の皆様、本当にありがとうございました。
私たちMOFの活動に興味を持っていただける方、これから議論に加わりたいという方ももちろん歓迎です。
 
 

シリーズ「現地報告」:奥地調査3

熱帯の森の中の大きな樹を下から見上げるとこんな感じ。

高さは40〜50メートルはあるか。
上の方は高すぎてよく見えません。
木の枝が広がっているというよりは、もこっという感じで
樹高にたいしてあまり枝を広げていないのも熱帯の木の特徴。
状態の良い森になるほど、高木が立ち並んでいます。





この森は、道路からず〜っと、ず〜っと奥地に入り込んだところに
残っている森です。


つづく

ところで、明日7/1(水)第8回フォレストセミナーがあります。
時間は18:00〜20:00、メディアリテラシーに関連して「私たちに出来ること」がテーマです。
まだお席がございます。ご興味をお持ちの方のご参加をお待ちしております。
お申込いただいた方に会場へのご案内図をメール添付でお送りいたします。
 
 

シリーズ「現地報告」:奥地調査2

ここは赤道直下の熱帯雨林の中。
ただいま、森林調査中の鈴木先生です。

写真は午後3時の温度と湿度。

湿度91%
そうなんです、熱帯の森の中って暑いんでしょう?とよく質問されますが
温度は結構高くない。
でも、この湿度。湿度100%ちかいというのは誇張でも何でもない
ホントにホント。蒸し暑い。

ブルーシートを張ったテント暮らしの場合
洗濯物はほとんど乾きません。

午前中はどしゃぶりの短い雨。晴れ上がったと思ったら
水蒸気の蒸散で、湿った洗濯物がさらに湿る。
乾く間がありません。

比較的開けたところをキャンプサイトに選んでいるとはいえ、
森の中なので、頭上たか〜いところにまで木の枝が広がっています。



つづく
 
 

ジャカルタの日本人学校で講演

現在インドネシア滞在中の鈴木先生が、現地の日本人学校で講演された様子が
ジャカルタ新聞に掲載されました。
20090618ジャカルタ新聞の記事

この訪問は、ジャカルタの日本人学校の先生の熱意あるお招きで実現したものです。
野中先生ありがとうございました。
 
 

シリーズ「現地報告」:奥地調査1

鈴木先生は現在インドネシア滞在中です。

そこで、当ブログでも現地での活動の様子を
写真を交えながら少しづつ連載していこうと思います。

名づけて、ずばり シリーズ「現地報告」

今回は、いま、先生が手がけている「森林調査」の様子を報告します。

現地の森は森林火災や違法伐採、違法入植が進み、荒れています。
しかし、そうした悪条件の中でも、部分的には良好で、
生物種に富んだ貴重な森が残っています。
こうした森をどのようにしたら今後も残していけるか、
その管理体制を整えていくことが非常に大切です。
しかし、こうした森は、人里から離れた奥地に広がっているために
国立公園のスタッフたちでも正確な情報は持っていません。

盗伐者や密猟者が横行し、知らないうちに森だけがなくなっていく。
こんな状況にしてはいけないと、調査を行い、
関係者と話し合い、保全管理の体制作りを進めています。





ふだんはベースキャンプを中心にオランウータンの追跡、
パトロールなどの活動を行っていますが、
森林調査などの遠征調査になると、こんなテント暮らしが何日も続きます。

地面にはるアウトドア用の普通の△型テントだと、
多雨多湿の森の中では床面がびしょびしょ。
使い物になりません。
ブルーシートが必需品です。



つづく
 
 

メディア・リテラシー

6月1日のフォレストセミナーの簡単なご報告を。

タイトルは「ニュースなオランウータン」ということで
新聞にはどんな記事が取り上げられているの?
一般の方が目にするオランウータンの情報ってどんなものなの?

という疑問からスタートしてみました。
で、会員の○見さんに早速いろいろな情報を集めていただいたのですが
事前に事務局に送られてきたメールには

「じゃ、テーマはメディアリテラシーで・・」・と書いてある。

???
り・て・ら・しぃ・・・

そもそもリテラシーって何?

メディア・リテラシー(英: media literacy)とは、情報メディアを主体的に読み解いて、
必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より


なっ、なるほど。
「情報を鵜呑みにしないで、自分で考えること」

例として取り上げられたのが

「オランウータンの生息数」
人はなんでも数や量にして表記されると、わかったような気になるのか
とにかく数を聞くのが好き。
講演会などでも真っ先に出るのが「オランウータンって何頭いるのですか?」という質問。

「はい、○○頭ぐらいと考えられています」
野生のオランウータンのことをよく知らない人ほど簡単に、
気軽に答えられるのだけど・・・

実は実際、公表されている数字だけでも10000数千頭から60000数千頭までのひらきがある。
最近でも学会で発表された65000頭という数字が
「正式な生息数」などと言って広く出回っていたりもする。
それまでは30000頭とか言っていたりしたので、数字だけで見れば
「オランウータン急増殖」????ということになってしまう。
生息数などというのはあくまでも「推測値」なので、計算の前提や方法が違ってくれば
どうにでも変わってしまう。
その上、ヒトのいろいろな思惑も絡んでくるので、ますます怪しげな数字になってしまう。
まっ、生息数なんてほんとあてにならない数字。

ところが、その数字をもとに
「10年間で○頭に激減」、「オランウータン絶滅の危機」
なんてニュースばかりが広まっていく。

作られた情報に惑わされているうちに、本当に手が差し伸べられなくてはいけない
肝心の場所が、無視され置き去りにされていく。
この悪しき仕組がオランウータンをますます苦境に追い詰めているのです。

で、私たちは何をすればいいの?

孤児に餌をあげたり、檻を買ったり、里親になったり、
木を植えたり、生息地をつなげたり、「オランウータン」のためにと、
ヒトがいろいろ考えていますが、何を考えて、何をしたら本当にいいのでしょうか。

今回は時間が足りなかったので、この部分のディスカッションを
次回(7月1日)も続けようということになりました。



 
 

私たちと熱帯雨林って関係あるの?

油ヤシ畑ポスター


Q.私たちと熱帯雨林って関係あるの?

A.私たちが便利にくらすために使われている、大量の木材や石油などのエネルギー資源。身近な日用品や食品にたくさん使われている油ヤシ(パームオイル)。これらを大量に輸出するために熱帯の森が伐採されたり、地下資源の開発が行われたり、油ヤシのプランテーションがつくられたりしています。私たちのくらしと熱帯雨林の関係。実は、深くつながっているのです。

Q.オランウータンになにが起きているの?

A.熱帯雨林には、多様な生きものがくらしています。ヒトの隣人のオランウータンも、そこにくらす生きものの象徴ともいえる住人です。しかし、樹木の過剰伐採、石油などの地下資源開発、油ヤシ開発などによって、森とそこにくらすオランウータンをはじめとする生きものたちの生存が大きく脅かされているのです。

GEIC4



写真は現在開催中の「生物多様性とわたしたちの暮らし」展に出展中のMOFのもの

○期間 2009年5月9日(土)〜 2009年6月6日(土)
開館時間:10:00〜19:30(土曜日は17:00まで)
休館日 :日・月・祝日、第4金曜
○場所 地球パートナーシッププラザGEIC 
     地図はこちらhttp://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html
○入場 無料
○主催 GEIC
○共催 国立環境研究所、国連大学高等研究所(UNU-IAS)、 国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)、環境省、CBD市民ネット
 
 

6月1日のフォレストセミナー

6月1日のフォレストセミナーは以下の表題と内容を予定しています。

「ニュースなオランウータン」ということで、
新聞記事をニュースソースに
マスコミでは熱帯雨林やオランウータンの話題が
どのようにとりあげられているのかを考えていきます。

当日は関連する新聞記事の資料提示と配布を準備中です。


Media Literacy/メディアリテラシー

1:Estimated population for the wild  orangutan
  /野生オランウータンの推定生息数

2:Regeneration of the tropical rainforest
  /熱帯雨林の植林

3:Rehabilitation for the orangutan orphaned
  /孤児になったオランウータンのリハビリテイション

今回は趣向を変えて、会員のみなさんに
話題(記事)を持ち寄っていただくということで
MOF会員の○見さん、準備万端ですね〜。ありがとうございます!

茫漠たる記事を相手に、これだけの内容を1回に盛り込むのは
大変だ〜。



6月1日(月) 18:00〜 @新宿曙橋・森人処にて
(お申し込みされた方に詳細な場所をご連絡します)

是非いらしてくださいね!

お問い合わせ・お申込みは事務局mof.orangutan @ gmail.comまで。
(お手数ですが@の両脇のスペースを削除してください)
 
 

展示:生物多様性と私たちの暮らし

生物多様性が私たちの生活とどう関わっているかを伝える展示が
青山・国連大学のおとなりにある地球パートナーシッププラザ(GEIC)で
6月6日まで開催されています。

MOFのポスターも展示していただいています。
GEIC1
MOFの活動を紹介するこの垂れ幕は熱帯雨林を上空から撮影したものです。

なんとなく熱帯に行けば、どこまでも熱帯雨林が広がっていて
「こんな写真なんていっぱい撮れる!」と思っていませんか?
と・こ・ろ・が・・・

このようなもこもこした木が広がる森って
実は実は、本当に少ない。ないんです。

この一枚を撮るためにとっても苦労したのでした。
それほど、熱帯の森は切り開かれている・・・
この事実に愕然とした一枚です。
GEIC3

GEIC2

展示の詳細は
http://www.geic.or.jp/geic/2009/service/display/2009_05.html

動画のURL
http://www.youtube.com/watch?v=Dx8hDUQ1pPM
 
 

第三回講演会報告〜本編

「次回」と銘打ってから長大な時間が経過してしまいました。ごめんなさい。
先月の講演会の内容に関する記録です。実施の概略については前回(前々回ですね)の記事もご参照ください。

理事長の鈴木晃先生からのお話はおおまかに分けると以下の三点についてでした。

1. 熱帯雨林の持っている生物多様性について
2. オランウータンの棲む熱帯雨林はどんな所か
3. オランウータンの生活様式、文化社会形態から熱帯雨林を考える


まずは、先生がこれまでにチンパンジー研究のフィールドとされたウガンダの熱帯雨林のお話です。同じチンパンジー棲息地でも、植生の違うサバンナとは、チンパンジーの群れの構造までが変わってくるのだとか。ところかわってオランウータンの棲むインドネシアの熱帯雨林。かわいらしいリスの写真も見せていただきましたが、一方で大柄な新種のヒョウが出たりもします。動物だけでなく、植物、昆虫のことまで考えるとなお一層、熱帯雨林が多様な生命の母であるように感じました。

講演の焦点は次第にオランウータンへと絞られてきます。一頭のオランウータンが移動・行動する範囲は大変広く、赤ちゃん連れのメスのオランウータンが、数年単位の長い周期で色々な森を渡り歩くのだそうです。オランウータン一種類の生存に限ってみても、広大な熱帯雨林の保全が必要となる理由です。ところが総面積もさることながら、森には道路が縦貫し、道沿いを拠点とする人間の生活が森を浸食していくと、オランウータンの移動経路は分断されてしまいます。

さて、そこでリモート・センシングです。今回は東大生産技術研究所の沢田治雄教授にご登場いただきました。熱帯雨林を上空から見るとどうなるのでしょう……。

実は講演会にはお越しになれなかった皆様も、家に居ながらにして熱帯雨林を見ることが出来ます。そう、Google Earthです。熱帯雨林の様子まで一目瞭然だったとは、沢田先生のご教示で初めて気付きました(ピラミッドばかり見てちゃダメですね)。以下、埋め込み式の航空写真はいずれもGoogleマップに依っています。


大きな地図で見る
クタイ国立公園はこの辺でしょうか。


大きな地図で見る
少し内陸部。道路(白い筋)で細切れにされている。


大きな地図で見る
こちらはアマゾン北岸、フィッシュボーン(魚の骨)と呼ばれる開発地形です。マレーシアやインドネシアもいずれこうなってしまうのでしょうか。

沢田先生によると、熱帯地域は土壌が薄いため、こうした土地はいずれ「アマゾンの砂漠」(!)と化してしまうかもしれません。

研究者間の問題意識はこれまで、「森林資源の減少」がもっぱらだったそうですが、資源性をうんぬんする以前に、その森のそれぞれに多様な生物種と豊かな環境がかつて存在していて、今では喪われてゆく……なんとかしてその生物多様性を保全できないものか、という方向に向かっているそうです。沢田先生の貴重で切実な問題提起に感謝いたします。

以上、ブログ用にしては少し盛りだくさんでしたが、講演会のご報告でした。
 
 
 
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