遅くなってしまいましたが、前回のフォレストセミナーのご報告と
次回、10月1日(木)開催の第11回フォレストセミナーのご案内です。
前回、第10回フォレストセミナーは、10名の方がご出席くださいました。
理事長の鈴木晃先生がホワイトボードに詳しい地図を描きながら
キャンプ・カカップ周辺の森およびクタイ国立公園の現況、
キャンプが行っている日々の活動と意義、キャンプが管理する研究林にまで
観光客が立ち入るようになった事情と、そのために実際に起こった事故や
憂慮される弊害などについて、ご説明くださいました。

キャンプ・カカップでは、オランウータンの社会を解明するために
27年にわたって常時9〜10人の現地スタッフが、1日3交替で
個体識別したオランウータンを追跡調査しています。
オランウータンのほうも人間を個体識別していますので
顔見知りのスタッフ以外の人が立ち入ると、思わぬトラブルが起こったり、
オランウータンの行動パターンが変わった場合に、それが自然のものなのか
人が立ち入ったために影響されたものなのか、見極めができなくなります。
もちろん、感染症の脅威は言うまでもありません。
ある国際機関の研究員の方がオランウータンに向かって木の棒を投げていたとか、
オランウータンの真下まで近づいた観光客が、オランウータンが落とした枝で
怪我をされたなどの報告は衝撃的でした。
いちばんショックだったのは、前回のフォレストセミナーで写真を紹介して
いただいたオランウータンの赤ちゃんが、キャンプ近くで亡くなっていたのが
見つかったという最新情報でした。
10月に鈴木先生が現地入りして詳しい状況を調査されるまで死因はわかりませんが、
長年の調査中20例ほどの出産がある中で、赤ちゃんが亡くなったのは2例目だそうです。
1例目は、赤ちゃんを連れていたはずの母親が、翌朝巣から出てきたときに
赤ちゃんを抱いていなかったということがあったそうで、猛禽か何かが原因だろう
とのことでした。
一方、世の中の趨勢としてエコツーリズムの要望は強く、
対応策を考えていかざるを得ない状況でもあります。
MOFとしては、キャンプ・カカップの研究林とは別に
国立公園内でありながら伐採されてしまった場所に植林をして
そこを将来的にエコツアーの対象地としてシステムを整えていくことを
提案したいと考えています。
第11回フォレストセミナーは、「ツーリズムと環境保全は両立しうるか?」
の第2弾です。とくに講師は立てず、ご参加のみなさまのディスカッションで
進めてまいります。
エコツアーの成功例、失敗例、問題点や経験談など、みなさまの貴重なご意見を
お待ちしております。
日時:10月1日(木)18:00〜
会場:森人処(風景舎@新宿・曙橋)
参加費:1,000円(支援/一般会員さんは無料)